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2015.09.25 議員活動

議員と議会の広報戦略

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議員活動における広報戦略を立てよう~大切なのは、受け手のアクションイメージ

 まず私は自らの議員活動をどう効果的に住民に伝え、アクションしてもらうかを盛り込んだ設計図を描きました。それが、いわゆる議員活動における広報戦略です。先述したように、いろいろな情報発信ツールを使うことはどの議員もやっていることです。私がこだわっているポイントは、①各ツール等の役割を明確にしたコミュニケーション設計、②コンテンツマネジメント(内容・質・量)、③デザインマネジメントの3点です。
 時間や予算が限られる中で、いかに効果的な住民とのコミュニケーションを図ることができるか、「MECE」(ミーシー)(1)の視点も取り入れて広報活動を体系的に整理し、目標(ゴール)を設定し、そこまでのストーリーを描いて戦術に落とし込んでいきました。

STEP1 情報発信ツール等の役割を明確にしたコミュニケーション設計を まずは、各情報発信ツールの役割を明確にするための整理を行います。ネットメディア、ペーパーメディア、リアルイベントに分け、その中でそれぞれのツールの役割を設定します。

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 重要なのは、これらの情報発信ツールを単に「使う」ということだけではなく、どういうルートで住民に情報を提供し続けることができるか、ということを考えることです。住民へのリーチの幅を増やし、接触頻度を増やすことで、受け手に情報が蓄積されていきます。私の場合は、ホームページは“総合案内”であり、チラシ(ペーパーメディア)やTwitterが“知るキッカケ”であり、Facebookやブログで情報を深め、事務所や議会カフェという“リアルイベント”に来てもらうことで「市政を自分ゴト化する」という動線設計をしました。

図2 戦略上のゴールまで見据えて、広報全体を設計する図2 戦略上のゴールまで見据えて、広報全体を設計する

 広報戦略上のゴールは、議会カフェへの参加やこがおも事務所への来訪に置いています。私は政党にも所属せず、どの団体からも支援を受けない立場です。「議員に相談をしたいけれども特定の政党への接触は敷居が高い」と感じている人は、特に都市部では多いのではないでしょうか。そんな方たちの受け皿になれればと思っています。
 実際に、ある男性が駅前で私のチラシを受け取り、そのチラシを家でパートナーに手渡し、その女性が私のTwitterで情報をとり、ある日事務所にふらりと立ち寄られ、相談を持って来られた、というようなことがありました。議員という人種との接触は、人生で初めてだったそうです。結局その方は、相談を持ちかけた件で陳情書を議会へ提出することになり、時間がかかったものの小金井市議会全会一致で採択、という成果にまでつながっています。ここまで理想どおりの例は少ないかもしれませんが、実感値としては、市政に興味関心を抱き具体的なアクションに結びつく方が増えています。根本的に目指している「市政に興味関心を持つ人の底上げ」は時間がかかりそうですが、少しずつ目に見えて成果が出てきていると確信しています。

STEP2 発信するコンテンツの内容・質・量をマネジメント  先述したように、情報発信ツールはそれぞれ役割が異なることから、ツールによって発信する情報の質的切り分け(マネジメント)も行っています。場合によっては、別のツールで同じ情報を発信することもありますが、基本的にはTwitterとFacebookの連動は使いません。

図3 やみくもに発信するのではなく、発信するコンテンツをマネジメントすることが大事図3 やみくもに発信するのではなく、発信するコンテンツをマネジメントすることが大事

 また、住民の興味関心を高めることを念頭に置いているため、コメント数や「いいね!」数のチェックにより、発信する情報を都度工夫しています。議員と議会について知らない住民が多いことを踏まえ、議員報酬明細書を毎月公開したり、Facebookでは飽きられないように発信頻度を1日1回程度に抑えたりなどして、こちらから発信する情報の内容と量を大まかにマネジメントしています。
 市政情報も重要ですが、普段の議員の仕事やその日常生活が見えるようにすることが、議員を身近に感じてもらうキッカケづくりでもあると考え、個人名のFacebookでは自分自身の子育てや日常のことなども定期的に盛り込み、「地方議員としての白井亨の日常生活」をあえて赤裸々に見せることも心がけています。3年目を迎えるあたりからは、「質と量」の双方において小金井市議会議員で№1を目指し、具体的な目標数値を設定して取り組んでいます。何事もマイルストーンが大切です。

STEP3 読んでもらえなければ意味がない~デザインマネジメントの重要性  良い情報をいくら大量に出しても、読んでもらえなければ意味がありません。そこでデザインマネジメントを試みています(図4)。地方議会業界ではデザインへの価値観がゼロといっても過言ではありません。まずは、それを変えたいと思いました。デザインマネジメントとしては、会派のロゴ(元は政治団体のロゴ)を作成し、キーカラーとサブカラーを設定し、使うフォントの種類を決め、一貫したデザインで情報発信ツールを制作してきました。

図4 市政に関心が低い若者層(20〜40代)に親和性の高いデザインを意識図4 市政に関心が低い若者層(20〜40代)に親和性の高いデザインを意識

 また、オールターゲットデザインでは、他の議員との違いが分かりづらいと感じています。議員になる前に感じていたのは、さも「政治ビラ」というだけで拒否反応を起こしている層が大勢存在するのではということでした。それらを仮説とし、特に市政に関心が低い若者層(20〜40代)に親和性の高いデザインを意識して制作しています(内容自体は全住民向け)。「これまで政治ビラは読むことがなかったけど、こういうデザインなら読もうと思う」と多くの方から評価もいただき、一定の成果は出せていると実感しています。

白井 亨(しらい とおる)

この記事の著者

白井 亨(しらい とおる)

東京都小金井市議会議員(2013年4月から現職)、会派 小金井をおもしろくする会(1人会派)所属。どこの政党にも所属せずどの組織からも支援を受けず素人市民でチームを作り未来の小金井市を創る為にまずは市議会議員に。元会社員(株式会社シー・レップにて企業や学校のコミュニケーション&プロモーション企画・制作のディレクター兼営業)。関西大学社会学部卒業。1975年生まれ、大阪府枚方市出身、2007年から小金井市民。

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