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2020.08.25 政策研究

教育現場における弁護士活用の実際

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兵庫県伊丹市総務部法務室法務管理課長(法曹有資格者) 大矢 真義

1 はじめに

 筆者は、9年と少し大阪市内の法律事務所で弁護士として活動した後、縁あって平成30年4月から任期付きの常勤職員として兵庫県伊丹市に勤務している。弁護士時代は、倒産手続や労務管理、金融関係の訴訟などの業務を中心に行っており、行政・教育・子どもの権利関係に特化した業務を行っていたわけではなかった。また、入庁当初は他の自治体内勤務弁護士と同様、庁内の法律相談、指定代理人としての訴訟対応、庁内研修などが業務として想定されており、特に文部科学省が昨今活用を促進している「スクールロイヤー」として採用されたわけでもなかった。
 ただ、筆者が入庁して以降、当初はほとんどなかった教育委員会からの相談が、庁内での人的なつながりから徐々に増え、現在では定期的に一定数の相談を受けるに至っている。
 以下では、教育現場での弁護士活用の実際等について、筆者がこれまでの経験で感じたことを私見とともに述べたい。

2 教育現場の問題の実態

 当然ではあるが、今も昔も、教育現場で起こる問題は、一次的にはクラスの担任や学年主任の教員が、ケースによっては校長や教頭と連携しながら、教育的視点に基づき解決に当たっておられる。ここでいう教育的視点というのは、「児童の成長のため、幸せのためにどうすべきか」という視点である。教育現場には、現場で起こる問題に対してそれを解決するためのノウハウ(主に過去の教員としての経験に基づく)がすでにあり、それに基づいて教育的視点に立って、多くの問題は現場内で解決できている(話は逸それるが、筆者は教育的視点に基づく解決により現場内で完結し、弁護士が教育現場からお呼びでなくなることが一番望ましいことだと思う)。
 ただ、教員と児童とその保護者、様々な人の正負の感情が絡み合って起こる問題の中には、残念ながら現場で解決できなくなってしまう問題がどうしても出てきてしまう。現場で解決できなくなる問題というのは、何も当初から深刻な問題であったわけではなく、最初は数多ある教育現場でのありふれた問題のひとつであったのに、初動の対応がうまくいかずにボタンの掛け違いが重なった結果として、時間の経過の中で図らずも重大となり解決困難となってしまった、というケースが多いように思う。
 現場の教員は、授業や学級運営等の様々な業務を行う傍ら、こういった問題の解決に取り組んでおられるのだが、日常業務に忙殺される中でこういった解決困難な問題を抱えるのは、心身ともに疲弊してしまう恐れがある(ただ、筆者の知り得る限り多くの教員が使命感を持って日々奮闘しておられる)。

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この記事の著者

大矢 真義(兵庫県伊丹市総務部法務室法務管理課長(法曹有資格者) )

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