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2019.10.10 議員活動

自治体議会のための条例立法の基礎(1)

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滋賀大学客員研究員 提中富和(だいなかとみかず)
 
目次

 第1回(今回掲載)

  1 はじめに──条例立法は議会の仕事である
  2 議会と立法権の位置付けを再認識する
  (1)議会の優位が大前提のはず
  (2)行政権の優位の考え方は払拭されるべき
  (3)二元代表制を問い直す
  3 条例立法権の根源的な根拠はどこにあるのか
  (1)地方自治の保障そのものに内在している
  (2)日本国憲法94条との関係
  (3)地方自治法14条の意味
  4 条例と法律の関係
  (1)条例は国家の法の体系の中の存在
  (2)条例のレパートリーが広がった

 第2回(11月掲載予定)
  5 法律によって条例事項とされている事項
  6 条例の組立て
  7 改正条例も一つの条例である


 第3回(12月掲載予定)
  8 条例立法の基底にある思考法
  9 議会が条例を評価する
  10 おわりに──地域のことは条例立法で自ら治める

 
 

1 はじめに──条例立法は議会の仕事である

 自治体の執行部においては、2000年地方分権改革の頃から「政策法務」の考え方が浸透している。政策法務とは、法を公共的な課題を解決するための政策そのもの、あるいはその政策の実現のための手段ととらえ、PDCAサイクルを形成する立法、法執行及び争訟評価の各段階において、その法をより良いパフォーマンスに導く取組みである。特に、条例立法の分野では、それまでの固定観念や既成概念を乗り越え、地域特性に応じた課題解決を図るための取組みが積み重ねられてきた。
 とはいうものの、条例立法は議会の仕事である。執行部側は提案するだけである。政策法務の改革思考性を考えれば、執行部が中央省庁→都道府県庁→市町村役場という行政組織の伝統的な統治機構のしがらみの中に位置するのに対し、議会こそ、こうしたしがらみにとらわれずに政策法務を推進しやすい立場にある。しかも、議員は地域の課題に向き合う立場に位置しているのであり、それゆえに、議会こそ条例立法を担うのにふさわしいということができる。
 このことに鑑みれば、議会側からの条例提案が活発化することが望ましいし、首長側からの条例提案に対しても、議会はこうした利点を生かして、有意義な審議と議決を行うことが求められる。
 本稿は、住民の代表機構である自治体議会こそが、民主主義の装置として、条例立法を行う使命を有していることを再認識するとともに、議会のための条例立法の基礎を確認することを目的としている。
 なお、条例は「制定する」ものであって、「立法する」と表現することに違和感があるかもしれないが、自治体議会はれっきとした自治体の立法府であることを喚起するため、あえて「立法する」と表現することにする。

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提中富和(滋賀大学客員研究員、元大津市職員)

この記事の著者

提中富和(滋賀大学客員研究員、元大津市職員)

(だいなか とみかず)滋賀大学客員研究員。元大津市職員。市役所では法務・訟務の部署に長年にわたって在籍。以来「自治体政策法務」をライフワークとし、研究会活動を主導するとともに、全国自治体の法務能力向上のために尽力してきた。滋賀大学では社会人向けの講座公共経営イブニングスクールの主査を務める。法学修士。著書に『自治体法務の最前線-現場からはじめる分権自治-』(イマジン出版、04年)、『政策法務事典』(ぎょうせい、08年、共著)『自治体職員のための政策法務入門〔第1巻・総務課の巻〕―自治基本条例をつくることになったけれど―』(第一法規、09年、共著)などがある。

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