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2019.11.11 議員活動

自治体議会のための条例立法の基礎(2)

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滋賀大学客員研究員 提中富和(だいなかとみかず)
 
目次

 第1回(10月掲載済み)

  1 はじめに──条例立法は議会の仕事である
  2 議会と立法権の位置付けを再認識する
  3 条例立法権の根源的な根拠はどこにあるのか
  4 条例と法律の関係

 第2回(今回掲載)
  5 法律によって条例事項とされている事項
  (1)地方自治法上のもの
  (2)個別行政法上のもの
  6 条例の組立て
  (1)総則規定
  (2)実体規定
  (3)雑則規定
  (4)罰則規定
  (5)附則規定
  7 改正条例も一つの条例である


 第3回(12月掲載予定)
  8 条例立法の基底にある思考法
  9 議会が条例を評価する
  10 おわりに──地域のことは条例立法で自ら治める

 
 

5 法律によって条例事項とされている事項

 条例のレパートリーのうち法律規定条例に該当するものは、条例で定めなければならないのであり、要綱など条例以外の形式で定めることはできない。このことが守られていなければ、議会の立法権が侵害されていることになる。法律によって条例事項とされている事項を確認しておくことは重要なことである。

(1)地方自治法上のもの
 地方自治法には、条例事項とされている事項が数多くある。その主なものとしては、以下のようなものがある。
 ① 事務所の位置(4条1項)
 ② 自治体の休日(4条の2第1項)
 ③ 議員定数(90条1項・91条1項)
 ④ 附属機関の設置(138条の4第3項)
 ⑤ 職員定数(172条3項)
 ⑥ 給料、手当及び旅費の額並びにその支給方法(204条3項)
 ⑦ 分担金、使用料、加入金及び手数料の徴収に関するもの(228条)
 ⑧ 公の施設の設置に関するもの(244条の2)

 これらは、地方自治法で定められなくても、住民にとって大きな関心事であり、本来、自治体の最高意思決定である条例で定めるべきことである。逆に、事細かく規定されていることにより自治が制約されているといったきらいがある。
 なお、④、⑦及び⑧については、執行機関側の行政内規である要綱で定められていることがあるかもしれない。④の附属機関の設置については、議会が、首長の組織編成権に民主的なコントロールを及ぼす必要性があるとして条例事項とされていることが見逃されてはならない。⑦の分担金等の条例主義は、およそ住民に金銭的な負担を求める場合には住民の合意を意味する条例で定めなければならないということであり、この分担金、使用料、加入金及び手数料の四つに該当することを厳格に考えるのではなく、広く条例化するという趣旨があると理解するべきである。⑧の公の施設の条例主義についても、住民の利用権を保障するためであるという原点を見失ってはならず、公の施設が人的サービスと相まって多様な形のサービスを提供するものであることを考慮して、その範囲を広くとらえることが重要である。

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提中富和(滋賀大学客員研究員、元大津市職員)

この記事の著者

提中富和(滋賀大学客員研究員、元大津市職員)

(だいなか とみかず)滋賀大学客員研究員。元大津市職員。市役所では法務・訟務の部署に長年にわたって在籍。以来「自治体政策法務」をライフワークとし、研究会活動を主導するとともに、全国自治体の法務能力向上のために尽力してきた。滋賀大学では社会人向けの講座公共経営イブニングスクールの主査を務める。法学修士。著書に『自治体法務の最前線-現場からはじめる分権自治-』(イマジン出版、04年)、『政策法務事典』(ぎょうせい、08年、共著)『自治体職員のための政策法務入門〔第1巻・総務課の巻〕―自治基本条例をつくることになったけれど―』(第一法規、09年、共著)などがある。

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